2022 年 42 巻 3 号 p. 301-309
脳損傷による身体, 認知, 行動上の障害によって運転能力が損なわれることがある。欧米各国では実車評価にて自動車運転に問題を有する脳損傷例への「driver rehabilitation」が普及し, そのなかでもオンロード運転訓練の重要性が指摘されている。日本では, このようなオンロード運転訓練による介入は一般的に行われていない。福島県郡山地区において我々は, 2017 年からこのような症例に対してオンロード運転訓練 (実車リハ) を開始した。これまで 31 名が実車リハにエントリーし, 2~10 コマの訓練を経て再実車評価を行った。最終的に 30 名で運転再開が実現した。その後の予備的調査で, 実車リハ実施者の運転パフォーマンスは, 初回実車評価合格者とほぼ同等であることが示唆された。海外でもオンロード運転訓練によって運転を再開できる症例は多いが, その効果を示すエビデンスはほとんど得られていない。 ランダム化比較試験による今後の検討が必要である。