2022 年 42 巻 3 号 p. 316-320
臨床現場に出て数年の初学者にむけ, 失語症状に対する分析的な視点と, 失語症状の長期的な回復を考慮した視点から, 失語症者本人とその家族への対応について述べた。第 1 章では, 失語症状のメカニズムを推定し, 治療的介入の手がかりを得るためには, 数量的な評価 (正答数) だけでなく, 質的な評価 (誤りの特徴) が重要であることを解説した。第 2 章では, 病棟で受ける失語症者と家族からの質問に, どのように答えるのか, 専門家として寄り添いつつ, 納得を得るための対応について解説した。