人間生活文化研究
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女子大生の子宮頸がん・乳がんに関する意識調査
小林 洋子湯淺 洋子新堀 多賀子伊藤 由加里明渡 陽子
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2014 年 2014 巻 24 号 p. 120-124

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抄録

子宮頸がん発症が20歳代からと低年齢化しており,また乳がんの高い罹患率などから,若い世代から女性特有のがんに関する知識を持ち,健康への意識を高めることは重要である.そこで,本学女子大生で同意の得られた164名に子宮頸がん,乳がんについての知識調査を実施し,知識の普及啓発と自己管理能力の向上を目的とした.子宮頸がん,乳がんの知識調査では,子宮頸がんの知識がある学生は,有意に乳がんの知識もあり,また子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を受けていた.HPVワクチン接種の有無別による子宮頸がんの知識の平均正解数は,ワクチン接種ありの正解数が有意に高かった.全体でHPVワクチンの接種率は25.0%で,接種理由は家族や友人などの勧めが58.5%と最も多かった.子宮頸がん検診の受診率は8.5%と低く,HPVワクチンを接種した学生においても9.8%と同様に低い結果であった.乳がんの知識のある学生は,自己触診法の経験があるものが有意に多かった.また,自己触診法の認知度は高かったが,実際に自己触診法の経験のある学生は全体のわずか14.7%に過ぎなかった.しかし,自己触診法の具体的な方法を知りたいと希望する学生は81.6%と多かったことから,今後乳がん自己触診法の指導と女性のがんについての啓蒙教育を実施していきたい.

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© 2014 大妻女子大学人間生活文化研究所
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