人間生活文化研究
Online ISSN : 2187-1930
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2014 巻 , 24 号
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原著論文
  • 井上 俊也
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 1-21
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/10
    ジャーナル フリー
    企業等の組織にはリーダー型人材だけではなく,参謀型人材,エキスパート型人材,実務家型人材が存在する.大学等の高等教育機関ではリーダー型人材の育成が中心であり,大学以外の教育機関ではエキスパート型人材,実務家型人材の教育もあるが,参謀型人材の教育は数少ない.働く女性と男性が望む人材像を調査したところ,男性においてはリーダー型志向が高いが,女性においてはリーダー型人材への志向は1割未満であり,実務家型人材,エキスパート型人材志向が高いが,参謀型人材志向も2割程度ある.また,働く女性と男性とでは現在有用であると考える「能力」「知識」「資格」,今後学びたいと考えている「能力」「知識」「資格」にも大きな差があり,これは現在において女性と男性の働く立場,職種などに大きな差があることを意味している.働く女性の参謀型人材が有用と考える「能力」「知識」「資格」については,「能力」のうちのヒューマンスキルについてはリーダー型人材に近く高いが,他の能力であるコンセプチャルスキル,テクニカルスキル,知識,資格については他の人材に比べて低い数字となっており,女性の参謀型人材における強みはヒューマンスキルである.大妻女子大学で同じ調査を行ったところ,大学生が志向する人材像のトップは参謀型人材であり,4割近い.これは良妻賢母というイメージの強い女子大学において良妻賢母が家庭における参謀であるととらえているからであろう.しかし,彼女たちが学びたいと考えている「能力」「知識」「資格」に関しては,働く女性の中で実務家型人材,エキスパート型人材が有用と考えているものが多く,目指す人材像において必要な「能力」「知識」「資格」と大学生が学びたいと考えているものとの間に大きなミスマッチが生じている.このミスマッチを解消すべく,キャリア教育のプログラムである大妻マネジメントアカデミーでの参謀型人材育成のプログラムについて提言している.
  • Saumya Nilmini Senavirathna, Hnin Wityi, Takeshi Fujino
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 25-38
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/17
    ジャーナル フリー
    本研究では,ミャンマー・チン州に位置する2つの集落,ミンダット(Mindat)とカンペレ(Kanpetlet)に住む200名余りの住民に対し,現地の環境問題と開発要件に関する知識と意識を調査した.焼畑農業における休閑期間の減少,森林資源依存性,観光の促進,地元のアイデンティティの保護および家族計画の要件について,2つの集落間にはこれらに関する知識と意識のレベルに違いが見られた.これは集落間に生じている回答者の経済的・社会的地位の違いを反映している.ミンダットの回答者はカンペレよりも収入が多く,教育レベルも高い.環境の変化に対する危機感も高かった.一方,カンペレでは森林資源依存性がミンダットよりも高く,焼畑農業における休閑期間もより短くなっていた.非木材林産物(NTFPs)を栽培することに対しても消極的であった.これら2つの集落は収入と生活水準を上げることについても異なった意見を持っていた.
  • 早川 公康, 小林 寛道
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 78-95
    発行日: 2014/01/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    知的障害児の身体的側面や体力・運動能力に関する調査・研究は部分的,限定的なものも含め,様々な報告が見受けられるが,わが国の文部科学省によって推進されている新体力テストを踏まえた測定および考察については,まだそれほどのデータや研究知見はほとんど見当たらない.今回は文部科学省の新体力テストを主な項目として定め,一般健常児と知的障害児の身体的側面および体力・運動能力を比較し,知的障害児の実態に迫ることで,知的能力への対応だけでなく身体的側面や体力・運動能力の向上に寄与することを目的として本研究を行った.東京大学生涯スポーツ健康科学研究センターにおいて身体的側面および体力・運動能力を評価するために各種測定を行った.被験者は知的障害児24名で,そのうち男子が20名(16.0±5.5歳),女子が4名(13.3±3.4歳)であった.身体的側面については,身長,体重,体脂肪率,筋量等を測定した.体力・運動能力の測定については,主に文部科学省・新体力テスト実施要項等に則り,握力,背筋力,長座体前屈,股関節開脚角度,10m歩行,10m障害物歩行等を実施した.一般健常児等の全国平均値と比較できる項目については,比較の上,検討を行った.男子において身長,体重,体脂肪率,筋肉量いずれも個人差が大きく,特に体脂肪率については10%を下回る人と60%に迫る人との差が顕著であるなど,発育の改善,適正な体組成維持のための各種要因について検討される必要があるものと考えられた.長座体前屈について,健常児の全国平均では年齢とともに向上するのに対して,今回の被験者の場合,向上していく人と低下していく人の両極端なケースがあり,個人差を大きくする生活要因が存在する可能性も推察された.背筋力について,男子においては同年齢(13歳)で85kgの差がある被験者2名が存在したが,その原因については筋量,筋-神経系,認知機能の状態等が関係しているものと考えられる.10m歩行については,歩行それ自体は生活の基本動作でもあるため,著しく能力の低い人にとっては日常生活に支障を感じている機会が多いことが推察される.10m障害物歩行能力については男女ともに全被験者が一般高齢者の全国平均よりも低く,50m走能力についても男女ともに全被験者が健常児の全国平均よりも低いことが示された.背筋力,握力および10m歩行,10m障害物歩行,50m走については,有意差は認められなかったものの男女ともに筋量が多い群のほうが筋力や運動能力が高い傾向がうかがえた.しかし,標準偏差が大きいことや知的障害児の心身の状態が多岐にわたり個人差も大きい実情についても理解する必要がある.
  • Yui Morita, Hitomi Oda, Toshio Morita
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 204-216
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/19
    ジャーナル フリー
    目的:日本の伝統的芸能全般において代表的な演技技法の一つであるすり足歩行=ハコビの序破急のリズム展開を定量的データによって説明することを目的とした.方法:対象は人間国宝を含む4名の狂言役者であった.ハコビの時間的条件(T)と空間的条件(S)を実験的に様々に設定し,彼らのハコビの映像を記録した.得られた映像から所要時間(A1),歩数(A2),ステップごとの所要時間(A3),足を踏み出すタイミング(A4)を分析し,そこから速度変化の調整を行うステップ(E1)と調整の技(E2)について調べた.結果:次の3つの技を特定できた.1;速度変化の調節を行うステップ(E1)は,加速では2nd Stepまたは3rd Step,減速ではラストステップである.2;調整の技(E2)には,歩数のみならず歩幅で空間の広さを調整する技がある.3;ある条件が整う場合には,2nd Stepまたは3rd Stepに足の踏み出しを遅らせる技がある.これらの技を用いてハコビの序破急のリズムとテンポが生み出されていることがわかった.特に序から破への展開は,自然対数によって高い精度で近似できた.結論:ハコビに序破急のリズム展開を加える難しさは,序から破への速度変化を自然対数に近似したリズムの規則性に則り体現することにあると示唆できた.
  • 張 寓杰, 董 媛, 太 蘭, 寺井 あすか, 中川 正宣
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 222-233
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/22
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,日本語,中国語の大規模データに言語統計解析を用いて確率的言語知識構造を構築し,個々の言語の表面的な違いを超えて両言語の背景にある文化や社会システムを比較考察することである.本研究では,従来用いられている潜在意味分析(Latent Semantic Analysis)等の問題点を解消した,より厳密な確率的方法として,Kameya & Sato[6] のアルゴリズムを用いる.具体的には,同手法を用いて推定された両言語における多数の潜在クラスから,特に分析結果の解釈に基づき,中国語と日本語で同じネーミングになったクラスを選んで,比較考察した.本研究の方法を用いて,日本語,中国語に限らず,より多くの他言語,たとえば英語の大規模データベースを用いて,同様の確率的言語知識構造を構成し,多角的な比較研究を進めていくことも今後の重要な課題の一つである.
  • Seiji Ohsawa, Shu Nimonjiya, Atsuko Shimoda
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 234-244
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
    タイ北部の山岳地帯に暮らすムラブリ(Mlabri)は,20年前まで森で遊動生活を送る狩猟採集民であった.1990年代後半に政府主導の定住政策により定住生活と換金作物栽培を開始したが,現在でもなお,農閑期には森での狩猟採集に従事し,伝統的な食習慣を維持している.我々はムラブリの食習慣と食事の内容について3年間の調査を行い,彼らの伝統的な食事の習慣と食事内容について記録した.彼らの食生活はいたって簡素である.食料資源は,森での伝統的な生活で獲得された自然環境に関する豊かな知恵に基づき,狩猟と採集によって獲得される.道具は槍(khòt),鋤(khabok),鍬(soq),刃物(tòq/cok),火打ち石と火打ち金(kl.hlek)のみであり,食材は竹筒を用いて煮るか蒸し,また直接火にかけて焼くかして調理する.主食はヤム芋であるが,竹の子やヤシの茎,キノコのほかに多様な食材を用いている.動物性のタンパクもイノシシやシカ,サル,トリなど森で手に入るものから得ている.この研究は今までその全貌が未知であったムラブリの食生活について出来るだけ忠実に記述したものである.
  • 阿部 和子, 柴崎 正行, 阿部 栄子, 是澤 博昭, 坪井 瞳, 加藤 紫識
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 245-264
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/01/31
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,「おんぶ」や「抱っこ」という身近な育児行為の変化とえじこ,子守帯,ベビーカー等の育児用品の変化と現状の検討を通して,近代日本における子育ての変化の過程を考察するものである.「おんぶ」は,子守や家事の必要性から生れた庶民の育児法であり,その起源は,平安時代にまでさかのぼる.それが明治以降わずか150年ほどの間に「労働のためのおんぶ」から「育児のための抱っこ」へ,日本人の子育てのスタイルが変化をとげた.また明治から昭和の初めにかけて,多くの人々にとっての育児用品は日用品の代替であった.だが第二次世界大戦後,特に,欧米の情報や文化が庶民レベルまで浸透し,普及しはじめる60年代に入り育児用品は家庭で作るモノから買うモノ(商品)へと変化する.モノの豊かさは,ある意味で親子の生活を便利にすると言える.一方,それらは自らの子育ての必要感から作りだされたモノではない.現在,他者から提供されるあふれるモノの中で,その使い方さえ教えてもらわなければならないという逆転現象を生んでいる.それがモノにたよる育児へと変化し,もはや商品化されたモノがないと育児が難しい状況である.子どもの成育環境の悪化が叫ばれる昨今,本研究で取り上げた諸事象は,一考すべき問題であろう.
短報
  • 清水 沙也加, 林 恵美子, 若林 綾
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 73-77
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/30
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は,近代日本で文化的テクストが読者/オーディエンスによってどのように生産され,翻訳されていたかについて考察することである.とりわけ文化産業が発展した近現代では,文学テクストとメディアの関係はより錯綜し,多様な問題系を生み出している.文学テクストは,新聞や雑誌の記事の一つとして,美しくデザインされた本として,受け取られる.ときには,映画やマンガ,アニメーションに移植されることもある.そこに注目すると,文学テクストは,メディアや読者との協働を通じて,さまざまに変化していると言えるのだ.私たちは,資本主義と文化との関わりに注目しながら,メディアの中で作り上げられたイメージが,文学作品の受容にどんな影響を与えるかを検討した.
  • 生田 茂, 葛西 美紀子
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 160-167
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    文や文節をハイライトしながら同期をとって読み上げを行う Media Overlays の機能を持つ電子書籍を手作りし,ダウン症の児童の読みの促進や誤読率の改善に効果があるかを調べた. HTML5 や CSS3 を用いて,テキストや図からなる各ページを作り込み,文や文節をハイライトし同期をとって読上げを行うための SMIL ファイルの作成を行った.こうして制作した「はらぺこあおむし」の電子書籍を,原本の絵本の音読に加えて用いることで,ダウン症の児童の読みの速さや誤読率の改善の取り組みを行った.本取り組みの結果,ダウン症の児童の文や文節の読みの速さや誤読率の大幅な改善がみられ,引き続き,詳細な実験を期待する結果となった.
報告
  • 井上 俊也
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 104-119
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/18
    ジャーナル フリー
    20代未婚の働く女性と女子大学生に対して,職場等において目指す人材像,ライフイベントと就業形態の変更の意向,キャリア形成に際し学習意欲のある能力・知識・資格などを調査し,キャリアに対する意識を比較・分析した.先行研究では働く女性と働く男性のキャリアに関する意識を調査・分析しているが,就業力のあるキャリア教育プログラムの策定をするために,女子大生と年齢・家族構成の近い20代未婚の働く女性を比較したところ,目指すべき人材像として両者とも「リーダー型」が少なく,「エキスパート型」が一番多かった.厳しい雇用環境の中で「手に職をつけたい」と考える一方,先行調査でも明らかになった通り男女共同参画が途上の中でリーダーになろうという若い女性は少ない.この望むべき人材像はキャリア形成のための学習意欲にも反映している.また,女子大生は20代未婚の働く女性に比べて,よりエキスパート志向が高く,リーダーを支える「参謀型」志向も高い.このような若い女性のキャリアに対するニーズを明らかにし,若年層の女性にとって就業力のあるキャリア教育のプログラムを策定するための基礎データとする.
  • 小林 洋子, 湯淺 洋子, 新堀 多賀子, 伊藤 由加里, 明渡 陽子
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 120-124
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/25
    ジャーナル フリー
    子宮頸がん発症が20歳代からと低年齢化しており,また乳がんの高い罹患率などから,若い世代から女性特有のがんに関する知識を持ち,健康への意識を高めることは重要である.そこで,本学女子大生で同意の得られた164名に子宮頸がん,乳がんについての知識調査を実施し,知識の普及啓発と自己管理能力の向上を目的とした.子宮頸がん,乳がんの知識調査では,子宮頸がんの知識がある学生は,有意に乳がんの知識もあり,また子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を受けていた.HPVワクチン接種の有無別による子宮頸がんの知識の平均正解数は,ワクチン接種ありの正解数が有意に高かった.全体でHPVワクチンの接種率は25.0%で,接種理由は家族や友人などの勧めが58.5%と最も多かった.子宮頸がん検診の受診率は8.5%と低く,HPVワクチンを接種した学生においても9.8%と同様に低い結果であった.乳がんの知識のある学生は,自己触診法の経験があるものが有意に多かった.また,自己触診法の認知度は高かったが,実際に自己触診法の経験のある学生は全体のわずか14.7%に過ぎなかった.しかし,自己触診法の具体的な方法を知りたいと希望する学生は81.6%と多かったことから,今後乳がん自己触診法の指導と女性のがんについての啓蒙教育を実施していきたい.
  • 市川 博, 齊藤 豊, 豊田 雄彦, 本間 学
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 131-135
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/07
    ジャーナル フリー
    これまでの研究で,大学における情報リテラシー教育の実態は,ワープロ,表計算,プレゼンテーションなどのオフィスソフトを中心とした操作教育が中心となっていることを明らかにした.また,高等学校における教科「情報」における教育もオフィスソフトの操作教育が中心であること,さらに大学入学時において,それらのソフトを使いこなすレベルまで達していないことを明らかにし,大学における情報教育の必要性を提言した.以上の結果をふまえ,本報告では大学における情報教育を高等学校と同様に「情報活用の実践力」「情報の科学的理解」「情報社会に参画する態度」として,特に共通科目としては「情報活用」の基礎と応用の科目とすることを提案した.
  • 中山 愛理
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 136-141
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/07
    ジャーナル フリー
    高度情報社会において,情報機器の所有状況やその活用状況が情報収集や情報発信といった情報活用に大きな影響をもたらしている.情報収集と情報発信をスムーズに行っていくための方向性を検討するためには,情報収集者と情報発信者の立場をシームレスに捉えていく必要がある.本稿では,こうした課題をふまえて,情報収集者としての意識,情報発信者としての意識を明らかにすることを目的とした.3大学の学生を対象とした質問紙調査の結果から,インターネットを活用し情報収集と情報発信を行っていることが確認された.今回の調査から,回答者の意識は,情報収集をしている意識は高いが,情報発信をしている意識は低く,無意識的に情報発信をしてしまっている可能性が確認された.
  • 池頭 純子, 守田 美子, 松岡 みさ子, ゴードン ・ リバシッジ
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 142-148
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル フリー
    現代社会においては,グローバル化社会に対応できる人材が求められ,大学教育においても,そうした人材の育成が急務となっている.単に英語が話せるというだけでは不十分で,その上に困難な状況や,常に変化する状況に柔軟に対応できる能力,「ジェネリックスキル」が求められる.ジェネリックスキルとは,まず状況を客観的に冷静に判断・分析し,周囲の人と適切なコミュニケーションを図り,先を読んで問題を解決する能力である.しかしながら,現在のビジネス英語のテキストの多くは,英語表現の習得を意図したものであり,問題解決には対応していない.本研究では 1) 思考力,状況判断能力を鍛える,2) 自己発信能力を鍛える,3) 英語の基礎力を鍛える という3つの目的を達成するような英語のテキストとして,多様な視覚情報を与え,それを整理・分析し,英語で言語化する練習をさせるテキストの開発を行った.学生はこれにより多種多様な状況把握とそれを分析して適切に英語で処理するという,実社会で求められると考えられる能力を教室の場でトレーニングすることができると考えられる.
  • 岡田 小夜子, 甲斐荘 正晃, 玉木 伸介, 池頭 純子
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 149-154
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル フリー
    学生のキャリア教育を進めるために,基礎学力と社会人基礎力の向上を目指して,必修授業を利用し本専攻の全学生に1年間に亘って体系的に基礎教育を施した.その中でも基礎学力の充実の必要性は学生自身がもっとも感じていることではあるが,地味で継続的な学習が必要なため,途中で勉学を諦めてしまう学生が多い.そこで学習成果の「視える化」を図り,学生の学習意欲を刺激した.その結果,基礎学力を大きく伸ばした学生が多いという成果を上げた.また国語や政経のように記憶することが点数の上昇に直結する科目は伸長度が高く,英語や地歴など暗記だけでは不十分な科目は伸長度が低いことが分析の結果,明らかになった.
  • 小林 悦子, 高波 嘉一, 青江 誠一郎
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 155-159
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル フリー
    【目的および方法】肥満とアレルギー疾患の関連性に着目した基礎研究は少なく,食物繊維としての大麦摂取による両者の抑制効果に関する研究も少ない.本研究では,BALB/cマウスとC57BL/6JマウスのF1であるCBF1マウスに高脂肪食(CO),大麦添加高脂肪食(BF)を与え,ハプテンの反復塗布によってアレルギー性接触皮膚炎の病態を形成し,食事内容の違いがマウスにおける接触皮膚炎に及ぼす影響および大麦添加によるアレルギー症状抑制効果の有無の検討を行うことを目的とした.【結果】BF群はCO群に比べ体重増加量が低い傾向にあり,飼料効率,腹腔内脂肪総重量,副睾丸周辺脂肪重量,後腹壁脂肪重量が有意に低値を示した.両群ともにハプテン(TNCB;トリニトロクロロベンゼン)を塗布した右耳の肥厚は左耳に比べ顕著に増加したが,耳介のトルイジンブルー陽性細胞数はCO群に比べてBF群で有意に少なかった.BF群で盲腸内容物のLactobacillus属の菌数が有意に多く,Bifidobacterium属の菌数は多い傾向にあった(p=0.065).BF群でClostridium coccoidesグループの菌数は有意に少なかった.Eubacterium属,Bacteroides属の菌数は,群間に有意差は見られなかった.【考察】マウスにおける接触皮膚炎の症状は食事内容および食餌性肥満と関連することが示唆された.また,大麦摂取によって肥満とアレルギー症状の両者が抑制されることが示唆され,その機構の一部に腸内細菌叢の状態変化が関与していると考えられた.
  • 小林 哲也, 佐々木 宰, 川廷 宗之, 杉野 聖子, 原田 聖子, 宮脇 文恵, 永嶋 昌樹, 三橋 真人
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 168-180
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    現在,日本の社会福祉士養成は,大きな転換期を迎えている.2007年12月に社会福祉士及び介護福祉法が改正され,2009年度より新たな養成カリキュラムが開始された.このような転換の背景には,国民の福祉・介護ニーズの多様化・高度化があり,社会福祉士には,このようなニーズに応えるような一定水準の実践力が求められるのである.しかし,ここで,どのようにして一定水準の実践力を養成するのかという課題に直面する.これは,どのように実践力を養うのかという実習の方法論の課題であると同時に,どの程度であれば一定水準に達成したと見なすのかという評価方法の課題でもある.そこで,本研究では,新しい教育評価法である「ルーブリック(Rubrics)」に注目し,相談援助実習指導の評価に対するルーブリック評価の応用について,実際に,実習前の相談援助実習指導の実践に応用して研究をおこなった.
  • 勝部 愛美
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 181-194
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    これまで,文構造の記述には,主に語からのアプローチと型からのアプローチが用いられてきた.しかし,これらの方法には問題も見られる.語からのアプローチの記述法は,当該の語がどのような型で用いられるのか,どのような意味で用いられるのかを示す点では優れている.しかし,他のどのような語が同じ型をとるのかはわからない.他方,型からのアプローチの場合,どのような型がどのような語に対応するのかを示す点では,優れている.しかし,その語のグループが,他にどのような型をとることができるのかは示されない.本稿では,このような問題を打破すべく,ハイブリッド文法を提案する.ハイブリッド文法は,語と型からのアプローチの利点を組み合わせた枠組みである.資料はコーパスの資料と母語話者による判定を利用する.コーパスの資料のみを利用する場合,問題がある.コーパスは豊富なデータを供給するという利点を持つ一方,文法的か非文法的かという判定はできない.ハイブリッド文法では,コーパスから抽出したデータを基に,母語話者に判定を依頼し,その結果を資料として利用する.ハイブリッド文法は,コーパスと母語話者による判定の利点を組み合わせている点でもハイブリッドである.本稿では,同じa + 動詞的名詞を従える軽動詞have / takeにハイブリッド文法を適用し,その有用性を例証する.
  • 大網 美代子, 小川 雄司, 武田 幸, 竹内 梓
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 195-199
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル フリー
    現在,流行により目まぐるしく消費される衣服がある一方,身体に障害のある人が欲しい衣服が手に入らないアパレル業界での現状が挙げられる.本稿は,身体の障害に対応した専用服ではなく,障害のある人から不満や不便さを学び,その対応を持った一般商品としての開発研究を目的とする.義足や車椅子を使用している人の要望を反映し,独自のアーカイブ資料を基にデザイン設計を行った.試着修正を行いファッションショーにおいて着装観察を行った.その結果,年齢や体型の違いに対応可能な衣服の提案ができた.また,車椅子に対応した機能は,誰にでも着用できる衣服となった.機能美を実現することで多くの人に手に取ってもらえる可能性があることがわかった.デザイン設計を均一化することで価格をおさえ,誰もが楽しめる衣服になると考える.研究の基礎段階は,学生と共に行っている.チームでコミュニケーションをはかり問題解決・課題に対する提案を行い主体的な学びを実践している.多くの方々とのかかわりによって教育効果も大きいと思われる.
  • 工藤 陽香, 青江 誠一郎
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 200-203
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル フリー
    【目的及び方法】メタボリックシンドロームと共に近年急増しているのが,肝臓に過度な脂肪が蓄積する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)である.NASHモデルマウスの作製では高脂肪食を与える方法が多かったが,飼育期間が長期にわたってしまうという問題点があった.そこで,ストレプトゾトシン(STZ)を生後に投与して発生させるモデルが開発され,人間と同じ進行で脂肪肝を進行することが出来るという論文が発表された.そこで,新生児雄マウスにSTZを投与してNASHモデルマウスを作製し,発症状態を検討した.【結果】体重は,STZ群でコントロール群よりも有意に低下した.しかし,肝臓重量はSTZ群でコントロール群よりも有意に増加した.Oil Red O染色による脂肪滴数は,STZ群で有意に増加した.血清脂質は,血中総コレステロール濃度が有意に増加した.【考察】肝臓重量が有意に増加しているにも関わらず体重が減少した理由としては,糖尿病の発症が進行したためだと思われる.本研究において,STZを新生児に投与すると,早期にNASHを発症することが確認された.
  • 濵口 正悟, 金子 恵, 橋本 遼, 田村 未来, 行方 衣由紀, 田中 光, 田中 直子
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 217-221
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/19
    ジャーナル フリー
    生体内の細胞は様々な生理的および病的条件下で浸透圧の異なる環境にさらされ,これが水の移動と細胞の体積変化を引き起こす.細胞の体積変化は,このような細胞を取り巻く環境の変化を反映しており,細胞障害の予測にもつながると考えられる.我々は共焦点顕微鏡法と細胞膜挿入型蛍光色素PKH67を用い,浸透圧刺激による細胞形態の変化を計測する方法を確立した.低浸透圧刺激による腎尿細管上皮由来細胞株MDCKの体積の増大と減少,高浸透圧刺激による心室筋細胞の横行小管(T管)の消失を捉えることが出来た.本研究で用いた手法は,操作が簡便で正確な計測が可能であり,細胞への傷害も少ないという優れた特徴を有しており,細胞の体積および形態の制御機構解明に有用である.
資料
  • 林 恵美子, 若林 綾, 五味渕 典嗣
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 22-24
    発行日: 2014/01/01
    公開日: 2014/03/13
    ジャーナル フリー
    平成25年2月8日,人間生活文化研究所大学院生共同研究プロジェクト「近代日本文学におけるイメージと文学の関わりについての研究」は,研究成果を報告するワークショップを開催した.「文学」と「イメージ」が取り結ぶさまざまな関係性をめぐって,「文学」と挿絵,「文学」と演劇,「文学」と映画に着目した三つの報告とディスカッションが行われた.
  • 市原 浩美, 川廷 宗之
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 96-100
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/08
    ジャーナル フリー
    専門学校で事後指導として13年間試みた「介護実習劇」が,最終実習の振り返りにどのような効果を及ぼしたかを検証するため,卒業生へのインタビュー調査を実施した.発言内容を質的に分析した結果,【32概念】から最終的に3つのコア・カテゴリー≪制作過程≫≪劇中場面≫≪劇発表≫が生成され,「介護実習劇」を活用した事後指導は,≪制作過程における仲間の視点≫≪劇中場面における登場人物たちの視点≫≪劇発表での先輩・後輩の視点≫の相互作用によって,多角的な実習の振り返りを可能にしていることがわかった.今後は3つの視点に着目して台本分析を進めるとともに,演劇を用いた教育としての「介護実習劇」の位置づけを明らかにしていくという課題が示唆された.
  • 山岸 あづみ, 青江 誠一郎
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 101-103
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/08
    ジャーナル フリー
    昆布を可食部が異なる8種類の野菜(ホウレンソウ,シュンギク,ゴボウ,ダイコン,トマト,ナス,アスパラガス,カリフラワー)と煮沸した.その後,昆布の残存率,破断強度,Ca量,水中沈定体積の測定および,組織形態の観察を行った.その結果,昆布の軟化にはCaの損失が関与していた.トルイジンブルー染色の結果から,昆布は軟化により組織形態が大きく変化していた.
  • 福田 篤子, 柴崎 正行
    2014 年 2014 巻 24 号 p. 125-130
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    現在の幼稚園では年度の変わり目や,月の変わり目の仕事として保育室内の「壁面構成」を新しくしている.しかし,日本における幼稚園設立期は保育室の壁をどのように使用していたか,現在作られているような「壁面構成」がいつ頃から作られるようになったのか等壁面構成について明らかになっていないことが多い.よって本研究では明治20年に設立され現在までの日誌や資料を保存している大分県のK幼稚園の資料をもとに壁面構成の変遷を明示していくことを目的とした.対象としたK幼稚園からの資料もとに分析を進めると,子どもの作品の扱われ方や,保育室の壁に掲示されているものの内容の変化が見てとれた.そしてその期,その期によって保育者が大事にしようとしている工夫や保育観が見て取れた.
大妻女子大学大学院 修士論文概要(平成25年度)
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