2015 年 2015 巻 25 号 p. 249-261
星と波描画テストの投映法としての性質をより明らかにするため,本研究は基礎的研究の一環として,先行研究(香月,1999)の調査協力者6名を対象に,星と波描画テストおよびロールシャッハ・テストの再施行を実施し,主に指標レベルで,過去データとの比較検討を行った.その結果,星と波描画テストは,描き手の流動的な状態像を映し出すばかりでなく,描き手における比較的安定性の高いパーソナリティ要素についても映し出す可能性が示唆された.また両テストの結果を照合したところ,パーソナリティ要素の変化についての見解が一部共有されていることが分かった.詳細を明らかにするための研究が今後期待される.