本論では,教科「情報」の実施方法について,その出発期から指摘されてきた学校教育全体の再検討という問題提起をはじめ,商業科の経営情報分野との競合といった問題提起を軸としながら,教科「情報」実施後の課題として挙がってきた教員の人材育成,小中学校や大学での教育との接続などの問題点をまとめた.また,今後の情報教育のあり方として,先行事例としての武雄市の小学校におけるICT 教育を参照した.そこから,情報社会のインフラ整備には,文部科学省の予算配分などをふくめた社会的合意形成が不可欠であること,社会的課題の解決という視点に立った学校教育全体の再検討が必要であることを指摘した.また,情報社会を担う人材の輩出という視点において,商業高校,工業高校などの専門教育の場が今後ますます社会的な意義をもちうることを指摘し,そうした職業教育の重視,および,高大連携などの方策を通じて,知的基盤としての重点化の必要性を指摘した.