2016 年 2016 巻 26 号 p. 121-128
本論では,近年の議論をふまえ,日本における職業教育を再定義していくための視点として,まずは近代化以降の日本における職業教育の位置づけの変遷を辿り,さらに,北欧,西欧,さらに中国に代表されるアジア諸国の事例をもとに,今日の日本において「普通教育」と「職業教育」が差別化されてしまっている状況を改善することの重要性を指摘する.また,問題解決のための方策として,高校教育だけにとどまらず,高大連携などの視点をふまえた多様なキャリアパスの選択を可能とする制度設計の必要性を指摘する.