2016 年 2016 巻 26 号 p. 271-276
本研究では,児童扶養手当を受給する世帯の子どもと保護者の自己評価をもとに,授業理解度やコミュニケーション力,暮らし向き等を「親と子の生活意識に関する調査,2011」(内閣府子ども若者・子育て施策総合推進室)の個票データを用いて二次分析を行った.
その結果,保護者の暮らし向きが,子どもと関わる時間よりも,子どもとのコミュニケーションに影響する可能性が考えられた.また小学生から授業が理解できない子どもが,児童扶養手当を受給する世帯で目立った.小学生から勉強がわからない子どもは,中学生から理解できなくなった子どもより,自分の考えを説明したり,人の話を聞く等のコミュニケーションの自己評価が低いことが分かった.学校の勉強がわからない状況がそのままになって積み重なり,人の話を聞けない,さらに自分の意見や考えを上手く言い表せず,質問したり,発表することの難しさを感じていると見られる.
児童扶養手当を受給する世帯の子どもには,小学生の頃から学校の授業が理解できずにそのままになっている状況が見られる.こうした点から,小学校と中学校で連携して取り組まれる必要がある.さらに中学生への高校進学支援が中心となっている生活保護世帯への学習支援においても,支援者と小学校,中学校の一貫した指導と連携が求められる.