2016 年 2016 巻 26 号 p. 277-282
高 β -グルカン大麦,軟化処理してアルギン酸の生体利用性を向上させた昆布,およびミセル性リン酸カルシウムを飼料に配合してC57BL/6JまたはKK/Taマウスに給餌し,組織中の炎症マーカーの遺伝子発現を調べた.
その結果,腸内発酵を誘導する大麦および軟化昆布は,腹腔内脂肪の蓄積を抑制し,脂肪組織の炎症を抑制することが認められた.一方,発酵性のないミセル性リン酸カルシウムの実験においては膵臓細胞内で別の炎症マーカーの発現を抑制し,異なるメカニズムで抗炎症作用を有する可能性が示唆された.
以上の結果,マウスの腸内代謝を介した慢性炎症抑制メカニズムはミネラルなどの直接的な炎症抑制作用とは異なることが示された.