2016 年 2016 巻 26 号 p. 51-58
筆者らは大学生の抑うつに焦点を当て,大学の授業および学生相談室で実施可能な予防教育プログラムの開発を行ってきた.筆者(第一著者)は学生相談におけるグループのあり方を模索する中,CBT グループを学生相談で活用してきた.本稿では,特に筆者のグループ・ファシリテーションに焦点を当て,エンカウンター・グループのファシリテーション(Person-Centered Approach)の観点から問題点を明らかにし,今後,対処するべき課題をまとめた.その結果,(1)学生が心理学的知識をより客観的に受け取れるように配慮する必要,(2)グループの目的を心理学的知識の伝達に置くのではなく,学生のありようを尊重し,学生が心理学的知識を主体的に受け取れるように配慮する必要,(3)学生同士の自然な交流が生まれることを目指して,実施者が交流の促進を図ったり,段階的に交流が進むようなプログラムを作る必要,が示唆された.