2017 年 2017 巻 27 号 p. 592-602
小学校理科授業においては,問題解決の過程を取り入れた学習を展開している.この学習過程においては,問題に対する結論を導く過程における「考察」という過程を歩む.この「考察」の過程における指導は,曖昧で子どもはもちろん教師ですら明確な指導の理念をもって行われていない現状が明らかになりつつある.そこで,改めて小学校教師は小学校理科の学習における「考察」をどのように捉え指導を行っているのかを明らかにするための教師向けの質問紙を開発し調査を行った.その結果,考察場面における指導のあり方や,考察場面では何を子どもに考えさせようとしているのかが不明確であることが分かった.今後,ここで明らかになった教師の実態を踏まえて,小学校の理科学習における「考察」場面の指導のあり方を検討したい.