本研究は,学生が「手づくり」を通して,主体的に,生涯学び続ける意欲を持つことを念頭に,福祉分野における家政学教育のあり方について示唆することを目的とした.
衣生活領域においては,2005年に実施したアンケート調査の結果,「手づくり」に関する技法はある程度習熟するまで継続しないと忘れることや,材料に触れることにより衣服の素材に対して関心を持つことなどがわかった.本報では,このアンケート結果をもとに,福祉分野における授業内容を検討した.その結果,学生は授業で製作した知育玩具などを幼児施設等の実習先において利用するなどの成果が見られた.
食生活領域においては,本学の学生を対象にアンケート調査を行い,従来から踏襲されてきた調理技術に対する意識,調理技術の習得法などを調べ,今後の食生活領域における授業の方向性を探ろうとした.調理技術の基礎知識を知りたいとする割合が高く,自分で料理を作りたいという意識のあることが示唆された.そこで,生活の自立に必要な基礎的な知識及び技術を習得すること,基礎的な日常食の調理ができることを目標として実習内容を検討した.