2018 年 2018 巻 28 号 p. 131-136
本研究は,女子大学生のキャリア意識をCAVT(キャリア・アクション・ビジョン・テスト)を用いて解析し,学年差ならびに理想とするライフコース別のキャリア意識を明らかにすることを目的とした.女子大学1年から4年生の307名を対象とし,理想とするライフコースと厚生労働省「第15回出生動向基本調査」を比較した.その結果,本対象者は代表サンプルと分布がほぼ一致していた.学年差の分析結果は,「1・4年」は「2・3年」よりビジョン得点が高値を示し,アクション得点では,「4年」は「3年」より,「1年」は「2・3年」より高値を示した.「1・4年」は「2・3年」に比べ,キャリア意識が高いことが示唆された.理想とするライフコース別の分析結果は,アクション得点では有意差がみられない一方で,ビジョン得点では,「両立・非婚就業」は「わからない・専業主婦」より高値を示した.「両立・非婚就業」を選択した女子大学生は,「わからない・専業主婦」の女子大学生に比べて,将来設計に対する意識が高いことが示唆された.