人間生活文化研究
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組織不祥事と大学経営
加藤 淳
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2018 年 2018 巻 28 号 p. 504-507

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抄録

 わが国では,18 歳人口の減少により,大学経営がますます厳しくなることが見込まれている.そのため,大学は自らのイメージアップを企てたり,その独自性をPR するなど,自らの生き残りをかけて,学生募集に尽力しなければならない.逆を言うならば,大学の社会的評価を下げるような問題が起きることは,すなわち,学生募集に大きく影響を与える.本稿では,組織不祥事を大学経営に関わる問題として捉え,大学とその内部の組織成員について取り上げながら,「道徳」と「道徳的リーダーシップ」について論考した.しかしながら,現在わが国で社会問題となっている,日本大学アメリカンフットボール部フェニックス反則タックル問題を見る限りにおいて,筆者の言うところの「都市圏の大規模な大学であるならばともかく」という言葉すらも虚しく聞こえるかもしれない.しかるに,組織不祥事を防止するために,組織内部の組織成員の「道徳」と学園組織の上位層の「道徳的リーダーシップ」に期待したい,という筆者の考えは性善説に過ぎるだろうか.

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© 2018 大妻女子大学人間生活文化研究所
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