2018 年 2018 巻 28 号 p. 628-634
本稿では,キャリア教育の一環として実施される留学生のビジネス日本語教育に有効利用すべく,異文化間コンフリクトに対するアジア人ビジネスパーソンの対応をインタビュー調査し,トーマス&キルマンの5つのコンフリクト対処法(「競争」「協調」「妥協」「順応」「回避」)に振り分けて考察した.日本企業に勤務し,接客を主な業務とするアジア人ビジネスパーソン5名へのインタビュー内容は,これまでの勤務におけるコンフリクト経験の有無,対応方法についてであり,調査の結果,出現していたコンフリクト対処法の8割以上は「競争」「回避」であった.
今回のインタビュー結果では,アジア人ビジネスパーソンが異文化圏の職場環境の中で,自分の意見を主張しながらも相手の要求を受け入れていることが導き出され,これらの行動は,ビジネスパーソンが日本の企業ルールである,必ずしも利益最優先ではないことや,イレギュラー判断は上司が下し責任も上司が取る,などを自分なりに理解した上でのコンフリクト対応であることに他ならないことが実証された.