人間生活文化研究
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河川における魚類相モニタリングを目的とした環境DNAメタバーコーディング法の評価
小関 右介
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2019 年 2019 巻 29 号 p. 184-187

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抄録

 環境DNAメタバーコーディング法による河川魚類相調査の有効性を検証するため,本手法による調査結果を既存の採捕調査の結果と比較した.新潟県佐渡島の14河川における比較の結果,環境DNAメタバーコーディング法は,採捕調査で生息が確認されている魚種の95%を検出した.また,個々の河川・魚種でみた両手法間の検出/不検出の一致率も82%と高かった.これに加えて,環境DNAメタバーコーディング法は,採捕調査と比べて調査河川全体で12種類,河川ごとで平均2.5種類多く魚種を検出した.この検出種類数の増加はとくに大きな河川において顕著であった.以上のことから,環境DNAメタバーコーディング法は,従来の採捕調査と比べて十分検出力が高く,とくに 採捕効率が低下しやすい大規模河川では大きなアドバンテージを有する有効な魚類モニタリングツールであると考えられた.

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© 2018 大妻女子大学人間生活文化研究所
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