人間生活文化研究
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原著論文
ネパール11年生の科学の暫定性に関する理解の実態
石井 雅幸
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2020 年 2020 巻 30 号 p. 836-844

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抄録

 科学の本質を理解する上では,科学の暫定性を理解することが求められ,その指導法を明らかにするためには,科学の暫定性に関する理解の実態を把握する必要がある.我が国における科学の暫定性の理解の実態に関しては,科学の創造性の理解が難しいことが既に報告されている.探究的な学習を行うだけでは難しいということも報告されている.G3段階から知識の単純記憶型の理科授業を行っているネパールのG11(11年生)の科学の暫定性に関する理解の実態を知ることは,我が国の理科授業を考える上で有益であると考えられる.そこで,我が国で行われている科学の暫定性に関する理解の調査問題として使われ報告されている変形NSKSテストの問題をネパール共和国の11年生を対象に行った結果,我が国の大学生,中学生,小学生と同様に科学の暫定性の理解はされておらず,特に科学の創造性は理解されていないことがわかった.

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© 2020 大妻女子大学人間生活文化研究所
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