2022 年 25 巻 1 号 p. 7-14
症例は70歳代の女性。胃癌に対し幽門側胃切除(Billroth II法再建)を施行後経口摂取が困難となり、経皮内視鏡的空腸瘻造設術(Direct Percutaneous Endoscopic Jejunostomy:以下DPEJと略す)を施行した。空腸栄養を開始したが胃液や栄養剤の嘔吐を繰り返すため、瘻孔より経胃瘻的空腸栄養カテーテルを挿入し、40 cm遠位側から経腸栄養を行った。その後も胃液の嘔吐を繰り返すため、輸入脚に新たなDPEJを施行し、カテーテル先端を残胃に留置し胃液を排液した。その後は嘔吐も減少し経腸栄養の継続が可能となった。残胃からの排出障害に対し、輸入脚からの減圧カテーテル留置が有効であった症例を報告する。