群馬県前橋・高崎地域を事例に第3次産業における事業所の郊外化の観点から明らかにする.前橋と高崎は隣接するほぼ同規模の都市であるが,事業所の郊外化の様態に差がある.この要因は都市を取り巻く環境の相違によるものであり,特に交通の利便性の違いによる.群馬県の県庁所在地であり,歴史的に国の出先機関・県の行政機関が多いことに特徴付けられる前橋は県内の中心都市ではあるが長距離交通の利便性にかける.これに対して交通の要衝として発展してきた高崎は新幹線が通り東京との時間距離が近い.このため,前橋では地元企業の本社が郊外に立地し,広大な駐車場を備える方向に変化しているのに対して,高崎では駅周辺に域外企業の支所が集積する傾向がある.