人文地理学会大会 研究発表要旨
2005年 人文地理学会大会 研究発表要旨
セッションID: P09
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GISによる福岡市の高齢化地図
*田中 美帆
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抄録
 高齢者の生活環境評価や、最適な福祉サービスの配置を考える上で、より詳細なスケールで高齢者の分布を把握しておくことが必要となってくる。現在では小地域集計(町丁・字等集計)に基づいた人口データや地図データが磁気媒体で提供されており、GISでは、町丁・字単位からメッシュ単位へのデータ変換も可能なため、本報告では、総務省統計局のサイトから入手できる平成12年の国勢調査のデータを中心に、GISを用いて福岡市の高齢者の分布を町丁・字単位と4次メッシュ単位で地図化することによって、福岡市の高齢化の現状を把握しておきたい。人口高齢化を定義する絶対的な基準があるわけではないが、国連の定義では、65歳以上の人口が総人口の7%を超えると、高齢化社会とみなされている。本研究では、65歳以上を高齢者とし、単位地区あたりの高齢者人口比率、高齢者人口密度、高齢者人口数の三つの測度を主に用い、相対的に値の高い場所を福岡市の高齢化地域とみなす。分析ツールとして、ArcGIS9を用いた。人口データと結合させた属性テーブルから、フィールド演算によって、各種高齢者人口測度を算出し、コロプレスマップとして地図化する。町丁・字単位地図は、高齢者人口比率や高齢者密度の高い地区を具体的に特定しやすい利点があるが、面積が町丁・字単位で大幅に異なる(特に郊外地区)ため、実数では他地区との比較が難しい。一方、4次メッシュ(約500mメッシュ)単位地図では、市域を完全に網羅することはできないが、単位面積がほぼ等しいため、実数での比較がしやすい利点がある。ここでは、町丁・字単位地図をAとし、4次メッシュ単位地図をBとして、比較・検討する。
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© 2005 人文地理学会
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