抄録
コミュニティを基礎とするアプローチは,エコツーリズム計画においてたいへん有効かつ推奨される手法である。なぜならば,地域住民を観光活動に包摂すればするほど,より持続的なツーリズムが発展すると信じられているからである。沿岸地域におけるローカルな観光業にとっては,漁民の参加は不可欠である。本発表は,北海道釧路支庁厚岸町とベトナム北部クアンニン省のバンドンを事例に,沿海エコツーリズムの発達過程とその実践システムを比較検討し,漁民のライフスタイルを考慮してエコツアーを多様化し,かつ参加率を高めるためのいくつかの提案をしたい。