抄録
東南アジアの国々では,俗にテンプル・モンキーと俗称される,寺院や公園などにすみついたサルの群れ
を見かける.タイ国ロブリ市とインドネシア国西ジャワ州パンガンダラン自然保護区のカニクイザルを中心
に,そのようなテンプル・モンキーの長期にわたる個体数変動を分析した.シンガポールとインドネシア国
バリ州ウブドのモンキー・フォレストの事例を含め,いずれにも共通して見られる特徴があった.1970 年
代までは,すべての地域で個体数は少なかったが,その後,急速に個体数増加に転じ,現在も増加している.
この近年の個体数増加は急速な経済発展や都市化の進行と共に人為的にもたらされた.このようなカニクイ
ザル集団が今後も人間と共存していくためには,注意深い個体群管理が必要になる.