2025 年 9 巻 1 号 p. 76-85
目的:「避難所(H)運営(U)ゲーム(G)」を用い保健師学生への地震発災時避難所運営シミュレーション演習の効果を検証する.
方法:保健師学生27名にシミュレーション演習を実施し,11段階評点法による定量データと自由記述の定性データを組み合わせた無記名自記式調査により評価した.自由記述は質的記述的に分析した.
結果:定量データは,演習への反応「興味」等の中央値10.0,演習目標の到達度「避難所状況理解」等の中央値8.0を示した.自由記述では,避難所での保健師役割に【地域と避難所のニーズを把握し司令塔として対応】や平時の【要配慮者を含む地域特性をふまえた避難所運営の準備】,感想には【避難所運営がリアルにイメージできる貴重な体験だった】等のカテゴリが抽出された.
考察:保健師学生は地震発災時の避難所の状況を自分事と捉え,平時の対策や地域づくりに関する具体的な思考に繋がっており,本演習の効果が示された.