2023 年 98 巻 4 号 p. 169-177
これまでに報告されていたホソミハギ属Sohmaeaの花粉形態は光学顕微鏡による観察データであったため, 電子顕微鏡(SEM & TEM)によるデータを補充し,新たな記載,電子顕微鏡写真(Figs. 1–5),花粉データ(Table 1)をまとめた.その結果,分類学的に混同されていたSohmaea diffusaとS. laxifloraの花粉壁の微細構造が異なることが明らかになり,これらは2種の分類群であることを支持する根拠の一つとなった.また,前報(Ohashi et al. 2022)で比較したササハギ属Alysicarpusとホソミハギ属の花粉形態を改めて比較した結果,花粉型と表面模様の違いに加えて,発芽口の溝の長さや花粉壁の厚さと外表層の構造における相違点も明らかとなった.