The Horticulture Journal
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原著論文
イチゴ養液栽培における果実品質,生育パラメーターに対する Bacillus velezensisGlomus intraradices の効果
Pedro PalenciaFátima MartínezMaribela PestanaJóse A. OliveiraPedro J. Correia
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2015 年 84 巻 2 号 p. 122-130

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抄録

イチゴ栽培品種‘Splendor’と‘Primoris’を用いた養液栽培条件下で,実験開始時の Bacillus velezensis 接種の有無およびアーバスキュラー菌根菌 Glomus intraradices の接種時期による効果を検証した.1 栽培バッグに 10 株植えを 1 反復とし,B. velezensis 施用の有無,イチゴ 2 品種および 3 水準の接種時期を組み合わせた 12 の試験区について完全無作為化法(2 反復)にて試験を行った.果実重,果実品質,生育パラメーターおよび最新展開葉の SPAD 値を,温室内で 2011 年 10 月から 2012 年 6 月にかけて調査し,栽培終了時に根圏における Bacillus および G. intraradices の菌密度または感染率を測定した.その結果,養液栽培においても B. velezensisG. intraradices は定着しており,G. intraradices の効果は生育よりも果実品質に及ぼす影響のほうが強かった.複合接種区においては TSS(可溶性固形物),pH,TA(滴定酸度)の低下を引き起こした.B. velezensisG. intraradices の接種時期との組合せ効果は‘Splendor’よりも‘Primoris’において顕著であったが,両品種ともに定植後 12 ~22 週において SPAD 値の上昇が観察された.養液栽培においては,栽培品種により,接種時期がアーバスキュラー菌根菌定着による植物の発育反応に顕著に影響を与えることが示唆される.

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