The Horticulture Journal
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原著論文
トルコギキョウ[Eustoma grandiflorum (Raf.) Shinn.]由来のフラボノイド 3′- 水酸化酵素遺伝子(EgF3′H)の単離及び F3H 機能欠失変異アサガオ[Ipomoea nil (L.) Roth.]を用いた EgF3H の異種発現による相補性検定
髙取 由佳清水 圭一緒方 潤遠藤 大輝石丸 幹二岡本 繁久橋本 文雄
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2015 年 84 巻 2 号 p. 131-139

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抄録

トルコギキョウ(Eustoma grandiflorum)の花弁から,シアニジン系アントシアニンの生合成に関与する Flavonoid 3-hydroxylaseF3H)遺伝子の cDNA を単離した.この F3H 遺伝子のアミノ酸配列は,Arabidopsis thalianaF3H と 75.1%,Ipomoea nilF3H と 73.8%,Petunia hybridaF3H と 68.2%の相同性を示した.また,RT-PCR の結果,トルコギキョウ花蕾の生育過程別の花弁における F3H 遺伝子の発現量は,早期ステージで高く,後期ステージで低下した.なお,葉では,花弁の早期ステージと同程度に高い発現量を示した.さらに,単離したトルコギキョウの F3H 遺伝子を,F3′H 機能欠損で赤色の花を咲かせるアサガオの品種‘Violet’に導入して異種発現させた結果,花色が赤色から青色に変化し,花弁中にシアニジン系色素の蓄積がみられた.以上のことから,今回,単離に成功したトルコギキョウ由来の F3H 遺伝子はシアニジン系色素の生合成機能を有することが明らかとなった.

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