The Horticulture Journal
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原著論文
栽培時期および気温がトマトの茎上での花房位置に及ぼす影響
髙畑 健三浦 周行
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2017 年 86 巻 1 号 p. 70-77

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抄録

トマト(Solanum lycopersicum)の花房の茎上の位置は,開花期の早晩に関係するので重要なことが知られており,一般的には最も古い葉から数えた花房直下葉の葉位で判定される.著者らはこの葉位による判定が適切でない例を生産者の温室で観察し,それを確認するため,4 品種を 2008 年 10 月~2010 年 8 月に温室内で 12 回播種した.第 1~3 花房基部とそれらの花房分化前最終葉(この葉位が形態形成上の真の花房位置を表す)基部との相対的上下関係を調査したところ,‘マイロック’の全栽培,‘ハウス桃太郎’,‘桃太郎 8’および‘スーパーファースト’の非高温期栽培では花房位置が花房分化前最終葉の下方であった(花房直下葉は花房分化前最終葉の 1 枚下)が,‘マイロック’を除く 3 品種の高温期栽培では上方に位置する花房が現れた(花房直下葉は花房分化前最終葉).花房直下葉および花房分化前最終葉の葉位を栽培時期および品種間で比較すると,前者の葉位は花房位置を過剰評価する例があった.‘ハウス桃太郎’の花房位置の変化は高温区および非高温区を設けた実験で再現され,花房直下葉は形態形成上の特定の葉ではないことが確認された.外観的観察によると,茎部の花房側と花房分化前最終葉側とが不均一に伸長し,どちらが優勢に伸長するかによって,花房位置が決まることが明らかとなった.従って,花房位置の差を検討する場合は,花房直下の葉ではなく,花房分化前最終葉の葉位を調査すべきである.

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