The Horticulture Journal
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原著論文
開花中のカーネーション花弁における PIP アクアポリン遺伝子の同定と解析
森田 重人杉山 想立石 亮佐藤 茂
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2017 年 86 巻 1 号 p. 78-86

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抄録

開花時の花弁細胞の肥大成長には,細胞内への水の流入が関与しているが,これは細胞膜に局在するアクアポリンの一種である PIP(plasma membrane intrinsic protein)により行われている.本研究ではカーネーションにおいてアクアポリン遺伝子を網羅的に同定し,花弁における PIP 遺伝子の発現を解析し開花における役割について調べた.ゲノム配列データベースの検索により,カーネーション‘Francesco’において 8 個の PIP 遺伝子を含む 27 個のアクアポリン遺伝子の存在が明らかとなった.これらの PIP 遺伝子には全て EST が存在することから,いずれも発現遺伝子であることが確認された.また定量的 RT-PCR によって,カーネーション‘Pure Red’の花弁では DcPIP2;1DcPIP1;1 の 2 個の PIP 遺伝子が主に発現していることが明らかとなった.これらの遺伝子の転写産物は,茎,葉,がく片,花柱,花托,子房の各組織で多量に蓄積していた.さらに,花弁での DcPIP2;1DcPIP1;1 の発現は開花過程を通してほぼ一定で,高いレベルで維持されていた.本研究の結果から,開花時の花弁の成長にこれらの PIP 遺伝子が関与していることが示唆された.

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