保全生態学研究
Online ISSN : 2424-1431
Print ISSN : 1342-4327
調査報告
ゾーントラベルコスト法を用いた霞ヶ浦のレクリエーション価値評価の試み
北村 立実 久保 雄広松崎 慎一郎西 浩司湯澤 美由紀幸福 智菊地 心吉村 奈緒子山野 博哉福島 武彦
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2024 年 29 巻 1 号 p. 37-45

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抄録

 霞ヶ浦は流域住民のみならず広い範囲で様々な生態系サービスの恩恵を与えている。本研究では、ゾーントラベルコスト法を用いて霞ヶ浦のレクリエーション価値について経済評価を行った。全国を対象にWEBアンケート調査を実施し、霞ヶ浦(ここでは西浦および常陸利根川を対象)湖岸に点在する霞ヶ浦のレクリエーションスポット6カ所のうちいずれかに2017年の1年以内に訪れたことがあるか、霞ヶ浦の水質や生き物に関心があるかなどを質問した。訪れたと回答した人の出発地点を県外は都道府県、県内は市町村単位で設定し、霞ヶ浦の各スポットへの訪問率と旅行費用を算出した。需要曲線を作成し、訪問1人当たりの消費者余剰を算出したところ、4,087円/人と見積もられた。また、得られた消費者余剰と霞ヶ浦の年間の訪問者数の積から霞ヶ浦のレクリエーション価値を算出したところ246億円/年と見積もられた。

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