保全生態学研究
Online ISSN : 2424-1431
Print ISSN : 1342-4327

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環境省による風力発電における鳥類のセンシティビティマップ作成の経緯と課題
福田 真
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 2204

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抄録

日本は、 2050年までに温室効果ガスの総排出量をゼロにすることを宣言し、再生可能エネルギーの導入など、脱炭素社会に向けた取り組みを加速している。一方で、風力発電施設の設置には、希少な猛禽類などが風車のブレードに衝突して死亡するバードストライクなどの問題があり、生物多様性保全と脱炭素社会の両立が求められている。このような背景から、環境省では、鳥類への影響が高い地域を事前に把握できるよう、センシティビティマップを作成した。細かな要因を組み込んだバードストライクのリスク評価には多大な時間が必要であり評価手法も研究レベルにあるが、再生可能エネルギー発電施設の建設はすでに推進されてきており、リスク評価手法の熟成を待って作成したのでは社会的な意義を果たせない。このため、新たな調査を行わず現時点で利用可能な情報のみを利用しながら実現可能なセンシティビティマップを作成することをめざし、精度の向上についてはリスク評価手法の熟成とデータの蓄積を待って高精度のものに置き換えてゆくアプローチを採用した。

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© 2023 著者

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