抄録
[目的]脳卒中片麻痺患者の座位での骨盤傾斜角度と基本動作能力との関連について検討した。[対象]脳卒中片麻痺患者28名(男性17名,女性11名)とした。[方法]測定項目は,端座位での自動運動による骨盤前傾角度,骨盤後傾角度,骨盤運動可動域,基本動作能力(立ち上がり,着座,立位保持,片脚立位,歩行),Brunnstrom stage および下肢筋力とし,基本動作の可否に関連する因子を分析した。[結果]片脚立位以外の基本動作能力と骨盤前傾角度に有意な関連を認めた。一方で,各測定項目と骨盤後傾角度および骨盤運動可動域とは有意な関係は認められなかった。[結語]脳卒中片麻痺患者の自動運動による骨盤前傾能力は,基本動作能力に関連している可能性が示された。