ヘルスプロモーション理学療法研究
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原著
脳卒中片麻痺患者の歩行自立に影響を及ぼす要因
‐認知機能が低下した患者を対象に含めた検討‐
大田尾 浩八谷 瑞紀村田 伸溝上 昭宏小野 武也梅井 凡子大塚 彰川上 照彦
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2012 年 1 巻 2 号 p. 93-99

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抄録

[目的]脳卒中片麻痺患者の歩行の可否に影響を及ぼす要因とカットオフ値を検討した。[対象]対象に認知機能が低下した患者を含む脳卒中片麻痺患者35名(男性22名,女性13名)とした。[方法]候補となる要因を年齢,Brunnstrom stage,立位バランス,上肢筋力,腹筋力,下肢筋力,足底感覚,および認知機能とし,これらの要因と歩行能力を評価した。歩行能力に影響する要因をロジステック回帰により分析し,ROC 曲線から歩行自立を判別するカットオフ値を検討した。[結果]歩行の可否に影響を及ぼす要因は,麻痺側下肢筋力とHDS-R 得点が選択された。歩行自立を判別するそれぞれのカットオフ値は,麻痺側下肢筋力では体重比24%,HDS-R 得点では25点であった。[結語]脳卒中片麻痺患者の麻痺側下肢筋力とHDS-R 得点によって,歩行自立を判別できる可能性が示唆された。

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© 2012 日本ヘルスプロモーション理学療法学会
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