2018 年 33 巻 3 号 p. 457-460
〔目的〕ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いたVirtual Reality(VR)映像の臨床応用のための基礎研究として,HMDを用いたVR映像とモニター映像が立位重心動揺に与える影響の違いを検証した.〔対象と方法〕対象は若年健常人22名.重心動揺計にてVR,モニター,静止立位の3条件でSPL,WoE,HoEを計測.VR,モニターは共通の歩行映像(360°カメラを使用し,歩行速度80 m/minで歩いて撮影)を提示.〔結果〕SPL,WoEは静止立位,モニター,VRの順で増大,HoEは静止立位よりVR・モニターで増大,VRとモニターの間では差がなかった.〔結語〕VR,モニターともに立位重心動揺に影響を及ぼしうること,VRはモニターと比べ立位重心動揺に影響を及ぼしやすいことが示唆された.