2021 年 11 巻 1 号 p. 31-36
本研究の目的は,高位脛骨骨切り術(High Tibial Osteotomy;HTO)を施行した患者の強度別の身体活動(Physical Activity;PA)を入院中と退院後に客観的に測定し,退院後にどのように変化するかを調査することである。対象は,変形性膝関節症によりHTO を施行し,プロトコル通り退院に至った17名(平均66.8歳,女性88.2%)とした。三軸加速度計を用いて術後5週(以下,入院中)と術後8週(以下,退院後)にPA を測定した。METs に基づきPA を強度別に座位行動,低,中,高強度の4つに分類し,1日のPA の時間および総装着時間から除した割合を算出し比較した。調査した結果,退院後の座位行動(中央値)は,546分,低強度PA は397分,中強度PA は36分,高強度PA は観察されなかった。PA の割合は,入院中よりも退院後の方が中強度PA は有意に増加したが,座位行動および低強度PA は変化しなかった。HTO を施行した患者では退院後も座位行動の割合は変化せず多くの時間座っていた。