ヘルスプロモーション理学療法研究
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短報
簡易上肢機能評価法“ペットボトルキャップテスト”の再現性と妥当性
-上肢機能障害患者を対象とした検討-
廣津 昂村田 伸斎藤 正一永友 知子河端 博也
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2021 年 11 巻 1 号 p. 25-29

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抄録

本研究の目的は,上肢機能障害患者19名を対象に,ペットボトルキャップテスト(PET bottle cap test:以下,PCT)の再現性をテスト-再テスト法で検証し,妥当性をPCT とペグテスト,握力,ピンチ力およびボタンの留め外し時間との相関分析から検証した。その結果,PCT の患側の級内相関係数は0.881,健側は0.931であった。またPCT とペグテストは中等度の相関を認め,ボタンの留め外し時間とも有意な相関を認めた一方で,握力やピンチ力とは相関を認めなかった。以上より,PCT は上肢機能障害患者を対象として再現性が高く,巧緻性の評価として有用である一方で,上肢の筋力評価には適さない可能性が示唆された。PCT は特別な測定機器を必要とせず,ペットボトルとストップウォッチのみで計測できる汎用性の高い評価法であり,臨床現場で十分使用できることが示された。

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© 2021 日本ヘルスプロモーション理学療法学会

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