2022 年 12 巻 1 号 p. 25-32
本研究では,スパイロメーターを使用したCough peak flow(CPF)の測定値(CPF(S))と,ピークフローメーターを使用したCPF の測定値(CPF(P))との差異について検証することを目的とした。健常若年成人44名に対し,CPF(S)とCPF(P)を測定し,Bland-Altman 分析による一致性を検証した。また,各CPF の再現性と咳嗽評価の妥当性について検証した。その結果,CPF(S)はCPF(P)よりも低く,有意な固定誤差(p<0.001)が認められ,比例誤差(p<0.001)も認められた。CPF(S)とCPF(P)の級内相関係数は,それぞれ,0.900と0.941で高い再現性が得られた。また,各CPF と咳嗽関連指標との間には有意な相関関係を示し,妥当性が認められた。以上より,CPF(S)の測定値は,CPF(P)と異なったが,CPF(S)の測定方法は咳嗽力評価に十分適していた。