ヘルスプロモーション理学療法研究
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原著
健常若年女性を対象とした椅子立ち上がり動作を用いた 反応時間に及ぼす影響因子
尾山 裕介柴田 怜央
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2022 年 12 巻 2 号 p. 57-62

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抄録

本研究では,椅子立ち上がり(sit-to-stand:STS)動作時の体幹前傾角度および地面反力変数からSTS 反応時間への影響因子を明らかにすることを目的とした。被験者は健常な若年女性30名(20. 1 ± 1. 0歳)を対象とした。STS 反応時間測定は光刺激の認知後にSTS 動作を行う課題とし,体幹前傾角度および地面反力変数(最大値体重比,地面反力立ち上がり率,足圧中心移動距離,体幹前傾時間(T0),地面反力増加時間(T1),立ち上がり動作時間(T2))を評価した。その結果,体幹前傾角度およびT0,T1,T2がSTS 反応時間と有意な関連を示した。また,STS 反応時間を従属変数,年齢,BMI,体幹前傾角度,T0,T1,T2を独立変数とした重回帰分析を行ったところ,T1のみがSTS 反応時間の有意な影響因子として抽出された。以上のことから,地面反力変数の中でもT1に着目することで敏捷性であるSTS 反応時間を評価できる可能性が示唆された。

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© 2022 日本ヘルスプロモーション理学療法学会

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