2023 年 12 巻 3 号 p. 125-130
本研究の目的は,骨格筋間における結合組織の剥離が非荷重を伴う関節固定によって生じた関節拘縮に与える影響を明らかにすることである。対象は,Wistar 系雄ラットとし1週間の足関節最大底屈位での関節固定と後肢懸垂を実施し,ヒラメ筋と腓腹筋間の結合組織の剥離を行う群と行わない群に分けた。評価項目は実験最終日の足関節背屈とし,結合組織の剥離前と剥離後に行った。その結果,剥離群の足関節背屈角度の剥離前後の変化量は,非剥離群と比較して有意に改善が認められた。骨格筋間における結合組織の剥離は,関節拘縮の改善効果を有する可能性があることが明らかとなった。