2023 年 12 巻 3 号 p. 131-136
本研究は,介護予防体操として新たに開発した「たちばなタオル体操」の運動強度および体操前後の気分の変化を明らかにすることを目的とした。 対象は健常成人男性13 名とし,「たちばなタオル体操」と「いきいき百歳体操」実施中の運動強度および各体操実施前後の気分の変化を評価し,比較した。その結果,「いきいき百歳体操」と比較して「たちばなタオル体操」は,平均METs,2METs 以上の時間,3 METs 以上の時間,エクササイズ量,最大METs,分時換気量,平均心拍数,最大心拍数,体操終了3 分後の心拍数が有意に高い値であった。気分については,「たちばなタオル体操」のみ体操実施前と比較して体操実施後に覚醒度と活性度が有意に高まった。以上のことから,「たちばなタオル体操」は「いきいき百歳体操」より運動強度が高く,体操実施後にポジティブな感情に変化したことから,体力のある高齢者などの介護予防体操に利用できる可能性が示された。