ヘルスプロモーション理学療法研究
Online ISSN : 2187-3305
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12 巻, 3 号
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原著
  • 権野 めぐみ, 西尾 真樹, 来田 宣幸, 野村 照夫, 松井 知之, 東 善一, 平本 真知子, 橋本 留緒, 幸田 仁志, 渡邊 裕也, ...
    原稿種別: 原著
    2023 年 12 巻 3 号 p. 101-106
    発行日: 2023/02/28
    公開日: 2023/03/02
    ジャーナル フリー

    本研究では,下腿・足部スポ-ツ障害の有無とジャンプ前後の腓腹筋筋硬度の関係を検討することを目的とした。対象はジュニアアスリート43名であった。メディカルチェックでは,下腿・足部障害の有無を評価した。筋硬度測定では,20秒間片足8の字ジャンプをおこなわせ,ジャンプ前後の腓腹筋筋硬度測定を実施した。ジャンプ前後を被験者内要因,障害の有無を被験者間要因とした2要因分散分析をおこなった結果,有意な交互作用がみられた(F=5.586, p=.023)。単純主効果については,ジャンプ前後とも陽性者の筋硬度が有意に高く,陽性者,陰性者ともにジャンプ後の筋硬度が有意に高値であった。陽性者は陰性者と比べ,ジャンプ前後の筋硬度差が有意に大きかった。下腿・足部障害と腓腹筋筋硬度との関係を示すことができ,ジャンプ動作中の身体の使い方がジャンプ直後の筋硬度の上昇量および障害の有無に関係することが示唆された。

  • 山内 良祐, 牟禮 努, 小寺 晶子, 加藤 あずさ, 大角 しずか, 引野 伽乃, 池尻 生実, 村田 伸, 兒玉 隆之
    原稿種別: 原著
    2023 年 12 巻 3 号 p. 107-115
    発行日: 2023/02/28
    公開日: 2023/03/02
    ジャーナル フリー

    本研究は,リハビリテーション場面において母とセラピストの声かけが精神運動発達障害児の脳内神経活動に与える影響を検討することにより,「他者」の声かけの違いがどのような情動的な影響を及ぼし,リハビリテーションの介入へどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とした。対象は7 名(平均年齢:4.9±2.9歳)とし,母とセラピストの声かけ条件を8条件とセラピストのみの1条件の計9条件に設定し,各条件間での脳神経活動性について比較した。その結果,母の声かけでは,情動領域,運動領域や認知領域にて脳神経活動を示し,セラピストの声かけでは,言語領域にて脳神経活動を示した。声かけはこれまで運動学習の必須要項として既に立証されている治療効果を促す刺激としてだけでなく,他者がタイミングよく行うことで,情動の陽性変化や認知面でリハビリテーションをより効果的かつ円滑に進めることのできる要素となる可能性が示唆された。

  • 大杉 紘徳, 安齋 紗保理, 柴 喜崇
    原稿種別: 原著
    2023 年 12 巻 3 号 p. 117-124
    発行日: 2023/02/28
    公開日: 2023/03/02
    ジャーナル フリー

    近年では,高齢者の健康増進において,身体機能や認知機能のみでなく,主観的幸福感も注目されている。主観的幸福感には,社会参加が重要とされるが,自治会への加入が有益か否かについては様々な報告がある。そこで本研究では,自治会への加入と,趣味活動など自主的に参加できる活動への参加状況の違いによって,主観的幸福感に差異があるかを検討した。地域在住高齢者に対するアンケート調査結果から,14,500名を解析対象とした。主観的幸福感の高低を従属変数としたロジスティック回帰分析の結果, 主観的幸福感には,社会参加していること,自治会に加入していること,さらには自治会に加入意欲があることが影響していた。このことから,高齢者に自主的な社会参加を促すことが重要であるとともに,自ら積極的に参加できない高齢者に対しては,自治会などの第三者が主体的に運営する自治会などの参加を促すことも一定の効果が見込まれると考えられる。

短報
  • 佐藤 勇太, 小野 武也, 廣瀬 勇太, 田中 航, 細野 晴菜
    原稿種別: 短報
    2023 年 12 巻 3 号 p. 125-130
    発行日: 2023/02/28
    公開日: 2023/03/02
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,骨格筋間における結合組織の剥離が非荷重を伴う関節固定によって生じた関節拘縮に与える影響を明らかにすることである。対象は,Wistar 系雄ラットとし1週間の足関節最大底屈位での関節固定と後肢懸垂を実施し,ヒラメ筋と腓腹筋間の結合組織の剥離を行う群と行わない群に分けた。評価項目は実験最終日の足関節背屈とし,結合組織の剥離前と剥離後に行った。その結果,剥離群の足関節背屈角度の剥離前後の変化量は,非剥離群と比較して有意に改善が認められた。骨格筋間における結合組織の剥離は,関節拘縮の改善効果を有する可能性があることが明らかとなった。

  • 大野 七海, 森 拓海, 十念 大貴, 中治 衣理, 江越 正次朗, 村田 伸, 安彦 鉄平
    原稿種別: 短報
    2023 年 12 巻 3 号 p. 131-136
    発行日: 2023/02/28
    公開日: 2023/03/02
    ジャーナル フリー

    本研究は,介護予防体操として新たに開発した「たちばなタオル体操」の運動強度および体操前後の気分の変化を明らかにすることを目的とした。 対象は健常成人男性13 名とし,「たちばなタオル体操」と「いきいき百歳体操」実施中の運動強度および各体操実施前後の気分の変化を評価し,比較した。その結果,「いきいき百歳体操」と比較して「たちばなタオル体操」は,平均METs,2METs 以上の時間,3 METs 以上の時間,エクササイズ量,最大METs,分時換気量,平均心拍数,最大心拍数,体操終了3 分後の心拍数が有意に高い値であった。気分については,「たちばなタオル体操」のみ体操実施前と比較して体操実施後に覚醒度と活性度が有意に高まった。以上のことから,「たちばなタオル体操」は「いきいき百歳体操」より運動強度が高く,体操実施後にポジティブな感情に変化したことから,体力のある高齢者などの介護予防体操に利用できる可能性が示された。

活動報告
  • ~月経随伴症状からの検討~
    菊池 唯, 永井 由美子
    原稿種別: 活動報告
    2023 年 12 巻 3 号 p. 137-145
    発行日: 2023/02/28
    公開日: 2023/03/02
    ジャーナル フリー

    【目的】医療系女子学生のヘルスリテラシーと月経随伴症状および学業パフォーマンスの関係を調査した。【対象と方法】対象は理学療法学科もしくは作業療法学科に在籍する女子学生192名とした。性成熟期女性のヘルスリテラシー尺度を用いてヘルスリテラシー低群と高群に分類し,月経随伴症状,実践行動と学業パフォーマンスを2群間で比較した。【結果】高群は低群よりも月経随伴症状の水分貯留因子と痛み因子が高く,実践行動として鎮痛剤の服用が高かった。学業パフォーマンスは,低群と比較して高群で授業時間外の取り組み度の低下およびプレゼンティーズム日数の高さを認めた。【結論】高群は,月経随伴症状への対処法として鎮痛剤の服用を実践していたが,低群よりも学業パフォーマンスが低下していることが明らかとなった。

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