2023 年 12 巻 3 号 p. 137-145
【目的】医療系女子学生のヘルスリテラシーと月経随伴症状および学業パフォーマンスの関係を調査した。【対象と方法】対象は理学療法学科もしくは作業療法学科に在籍する女子学生192名とした。性成熟期女性のヘルスリテラシー尺度を用いてヘルスリテラシー低群と高群に分類し,月経随伴症状,実践行動と学業パフォーマンスを2群間で比較した。【結果】高群は低群よりも月経随伴症状の水分貯留因子と痛み因子が高く,実践行動として鎮痛剤の服用が高かった。学業パフォーマンスは,低群と比較して高群で授業時間外の取り組み度の低下およびプレゼンティーズム日数の高さを認めた。【結論】高群は,月経随伴症状への対処法として鎮痛剤の服用を実践していたが,低群よりも学業パフォーマンスが低下していることが明らかとなった。