抄録
【目的】運動器不安定症外来女性患者を対象にビタミンD 濃度と身体機能・生活機能との関連性を明らかにすることとした。【方法】対象は運動器不安定症と診断された48名とし,ビタミンD 濃度,疼痛,膝関節伸展筋力(膝伸展筋),片脚立位時間(OLS),Timed Up and Go test(TUG),Berg Balance Scale(BBS),10?歩行最短所要時間(MWT),老研式活動能力指標(TMIG)を測定した。各測定値の関連性は,単回帰分析と重回帰分析を用いて検討した。【結果】単回帰分析にてビタミンD と膝伸展筋,OLS,BBS,MWT で有意な相関を示した。OLS とTUG を目的変数とした重回帰分析の結果,OLS ではビタミンD とBBS が,TUG ではBBS とMWT が説明変数として抽出された。【結論】ビタミンD 濃度は,運動器不安定症女性患者の身体機能を示す有用な指標となる可能性を示した。