2013 年 2 巻 4 号 p. 169-173
本研究は,通所サービス利用中の虚弱高齢者と脳卒中片麻痺患者を対象に,歩行能力と身体活動量を比較検討した。対象は,虚弱高齢者15名(男性4名と女性11名)と脳卒中片麻痺患者15名(男性6名と女性9名)の合計30名とした。その結果,虚弱高齢者では,脳卒中片麻痺患者に比べて,10ⅿ最大歩行速度,10ⅿ至適歩行速度,3分間至適歩行速度,および歩行効率が有意に優れていた。ただし,身体活動量には有意差を認めなかった。これらの結果から,虚弱高齢者は歩行能力に見合った身体活動を行っていない可能性が示唆された。よって,虚弱高齢者のヘルスプロモーションを考える場合,歩行能力のみならず身体活動量を評価することの必要性が示唆された。