抄録
本研究では,ハンドヘルドダイナモメーターを用いた簡便な足関節底屈筋力測定法を考案し,その測定値の再現性と妥当性について検討した。対象は,健常成人男性17名34肢(平均年齢:28.5±8.4歳)とし,足関節底屈筋力,膝関節伸展筋力および握力を測定した。足関節底屈筋力の再現性については,テスト-再テスト法による級内相関係数,妥当性については膝関節伸展筋力や握力との関連について,ピアソンの相関係数を求めて検討した。分析の結果,考案した足関節底屈筋力測定法の再現性は0.860と良好であり,下肢筋力の指標とした膝関節伸展筋力,および上肢筋力の指標とした握力との間に有意な中程度以上の相関が認められた。これらのことから,考案した足関節底屈筋力測定法は再現性に優れ,膝関節伸展筋力や握力を反映した簡便かつ有用な測定法であることが確認された。