抄録
【目的】転倒予防練習と音声フィードバック練習が運動機能および身体能力認識に与える効果を調べた。【方法】対象は簡易老人ホームに入所している4名,介入期間は8 週間,介入は転倒予防練習と音声フィードバック練習とした。実験デザインは多重ベースラインデザインを採用した。測定には運動機能を見る指標として1.Timed Up and Go Test(TUG)2.最大一歩幅(Maximum Step Length,MLS)を用い,身体能力認識を見る指標として歩幅の誤差(Step Error, SE)を用いた。また,MLS とSE の測定には開脚訓練装置を用いた。【結果】TUG とMLS では介入前後で有意差は見られなかったが,SE については有意差に減少した。【結語】転倒予防練習と音声フィードバック練習の組み合わせ運動は身体能力認識を改善することが示唆された。