抄録
[目的]背中で両手指を斜めに近付けた中指-中指間距離を測定し,利き手および肩こりとの関係を検討した。[対象と方法]60歳以上の健常高齢者44名(男性25名,女性19名)を対象とし,質問票にて,利き手や肩こり有無の回答を得た。その後,被験者に直立姿勢をとらせ,中指-中指間距離(Middle fingerMiddle fingerDistance: MMD)を巻尺にて測定した。利き手下位MMD と非利き手下位MMD の2群間,および肩こり有群MMD と無群MMD の2群間を比較した。[結果]利き手は,右41名,左3名であり,肩こりの訴えは16名であった。利き手下位MMD は非利き手下位MMD 群より有意に高い値を示したが,肩こりの有無で,MMD に有意差は認められなかった。[結語]利き手側は非利き手側と比較して,肩関節伸展・内旋の可動性低下が示唆された。また,肩こりとMMD は関連性が少ないと思われた。