抄録
本研究は,地域在住高齢者を対象に2週毎に2回の運動介入を行い,身体機能,健康関連QOL(SF‐8)および運動習慣へ及ぼす効果を検討した。対象は,介護認定を受けてない地域在住高齢者22名とし,介入前後の身体機能,健康関連QOL および運動習慣を比較した。その結果,身体機能では片足立ち時間が有意に延長していた。健康関連QOL は身体的健康(PCS)が,下位尺度では活力(VT)と日常役割-身体(RP)が有意に改善していた。また,定期的に行う運動の頻度が有意に増加しており,運動習慣の改善が確認できた。一方,筋力や歩行能力に変化は認められなかった。本研究の結果から,数回の運動介入であってもバランス能力や健康関連QOL,運動習慣に有益な効果が得られることが確認された。ただし,筋力や歩行能力の向上には,本研究における運動強度や頻度,期間などを検討する必要があることが明らかとなった。