抄録
[目的]病棟内自立歩行を許可するための判定基準として,Frail CS‐10の有用性を検討した。[対象]2013年度にA病院の回復期病棟に入院していた,あるいは入院している患者を対象とした。[方法]入院期間中の転倒の有無を従属変数としたReceiver Operating Characteristic 曲線を作成し,Frail CS‐10のカットオフ値を求めた。また,転倒歴を従属変数としたロジスティック回帰分析により,得られたカットオフ値の妥当性について検討した。[結果]Frail CS‐10のカットオフ値は2.5回であり,Area Under the Curve は0.97,感度89%,特異度95%であった。また,転倒歴を従属変数としたロジスティック回帰分析により,算出したカットオフ値の妥当性が確認された。[結語]これらの知見より,Frail CS‐10が病棟内自立歩行を許可するための判定テストとして応用できることが示唆された。