ヘルスプロモーション理学療法研究
Online ISSN : 2187-3305
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ISSN-L : 2186-3741
4 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
  • 岩瀬 弘明, 村田 伸, 村上 貴士, 窓場 勝之
    2014 年 4 巻 3 号 p. 107-112
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/04
    ジャーナル フリー
    [目的]病棟内自立歩行を許可するための判定基準として,Frail CS‐10の有用性を検討した。[対象]2013年度にA病院の回復期病棟に入院していた,あるいは入院している患者を対象とした。[方法]入院期間中の転倒の有無を従属変数としたReceiver Operating Characteristic 曲線を作成し,Frail CS‐10のカットオフ値を求めた。また,転倒歴を従属変数としたロジスティック回帰分析により,得られたカットオフ値の妥当性について検討した。[結果]Frail CS‐10のカットオフ値は2.5回であり,Area Under the Curve は0.97,感度89%,特異度95%であった。また,転倒歴を従属変数としたロジスティック回帰分析により,算出したカットオフ値の妥当性が確認された。[結語]これらの知見より,Frail CS‐10が病棟内自立歩行を許可するための判定テストとして応用できることが示唆された。
  • 中江 秀幸, 對馬 均
    2014 年 4 巻 3 号 p. 113-119
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/04
    ジャーナル フリー
    在宅パーキンソン病患者に対し,症状や生活場面における主訴,介護保険の利用状況および運動療法の実施状況について,アンケート調査を郵送法で行った。症状や生活場面における主訴は「動きが鈍い」「とっさの動きが困難」といった動作に関する回答率が高かった。要介護認定の有無で主訴を検討した結果,「力が出せない」「とっさの動きが困難」で有意差を認め,要介護認定者の回答率が高かった。本調査による要介護認定率は75.8%,介護保険サービス利用率は67.0%であった。医療機関での運動療法未経験者が51.6%存在した。また,医療機関以外で定期的に運動療法を実施していない者が37.4%であった。運動療法の実施機会が確保されていないことによる廃用による機能低下や自己流になるために過用や誤用に陥ることが危惧される。
  • 大田尾 浩, 上城 憲司, 八谷 瑞紀, 村田 伸, 高島 恵, 夏秋 佳奈, 溝田 勝彦
    2014 年 4 巻 3 号 p. 121-124
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/04
    ジャーナル フリー
    [目的]EC‐FRT(functional reach test with eyes closed)から地域在住高齢者の転倒の有無を判別できるのかを検証した。[対象]介護認定を受けていない地域在住高齢者101名とした。[方法]EC‐FRT,FRT および過去1年間の転倒歴を測定した。[結果]EC‐FRT は,加齢とともに低下していた。また,EC‐FRT は非転倒群よりも転倒群の方が低値であった。とくに,EC‐FRT が25.5cm 以下になると転倒リスクが高くなっていた。EC‐FRT は「転倒あり」の判別よりも「転倒なし」の判別の方が診断精度は高く,FRT よりもEC‐FRT の方がより正確に転倒を判別できた。[結語]高齢者が転ばないように,目指すべき立位バランスの目標値をEC‐FRT から設定できる可能性が示された。
    Editor's pick

  • 中村 浩一, 兒玉 隆之, 向野 義人, 鈴木 重行, 福良 剛志, 大和 千絵
    2014 年 4 巻 3 号 p. 125-128
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/04
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,ヒラメ筋に対するストレッチング効果を神経生理学的に明らかにすることである。対象は,健常男子学生40名40肢左脚とした。方法は,ストレッチングを課す条件(ストレッチ条件)と課さない条件(コントロール条件)から,誘発筋電図を用いてH波とM波の最大振幅から算出された最大振幅比(Hmax/Mmax)により,ヒラメ筋の状態を評価し,条件間およびストレッチング前後で比較検討した。結果は,条件間の最大振幅比に有意差はみられないが,ストレッチング前に比べストレッチング後は,有意に低値を示した。これらの知見から,個別的な筋へのストレッチングは従来の先行研究と同様の神経生理学的変化をもたらす可能性が示唆される。
  • 相馬 正之, 村田 伸, 岩瀬 弘明, 村田 潤, 上城 憲司, 久保 温子, 江渡 文
    2014 年 4 巻 3 号 p. 129-132
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/04
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は,10ⅿ障害物歩行に影響を及す要因を明らかにするため,地域在住高齢者を対象に運動機能評価に関する検査を行い,10ⅿ障害物歩行時間との関連を検討した。〔対象・方法〕60歳以上の地域在住高齢者69名を対象とした。測定項目は,10ⅿ障害物歩行の他,開眼片足立ち保持時間,Functional reach test,Timed up & go test(TUG),大腿四頭筋筋力,30秒椅子立ち上がりテスト,Trail making test とした。〔結果〕重回帰分析によって10ⅿ障害物歩行に影響を及ぼす因子として抽出されたのは,開眼片足立ち時間とTUG であり,開眼片足立ち時間が長いほど,TUG 遂行時間が短いほどに10ⅿ障害物歩行遂行能力が高いことが確認された。今回の知見より,地域在住高齢者の10ⅿ障害物歩行遂行能力を高めるためには,開眼片足立ち時間やTUG などのバランス機能を高めることの重要性が示された。
  • 小野 武也, 梅井 凡子, 積山 和加子, 石倉 英樹, 相原 一貴, 佐藤 勇太, 松本 智博, 沖 貞明, 清水・ミシェル アイズマン, ...
    2014 年 4 巻 3 号 p. 133-135
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/04
    ジャーナル フリー
    1週間の関節固定によって引き起こされる関節拘縮の自然回復とトレッドミルによる運動効果を確認するために実験的研究を行った。全てのラットの右足関節を最大底屈位にギプスを用いて1週間固定した。1週間後にギプスを除去しトレッドミル走行を行う「トレッドミル群」とトレッドミル走行を行わず自由飼育する「自由群」に分けた。その結果,自由群の可動域は1週間で回復した。トレッドミル群の可動域は2週間で回復した。関節拘縮後に行う運動について,不適切な運動は可動域改善の阻害因子となることが示唆された。
  • 大杉 紘徳, 田中 芳幸, 兒玉 隆之, 村田 伸
    2014 年 4 巻 3 号 p. 137-141
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/04
    ジャーナル フリー
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