ヘルスプロモーション理学療法研究
Online ISSN : 2187-3305
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原著
不安定面での姿勢制御能力が地域在住高齢者の転倒に及ぼす影響
―不安定面での重心動揺検査における検証―
藤高 祐太金井 秀作原田 亮後藤 拓也城野 靖朋田中 聡大塚 彰
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2015 年 5 巻 2 号 p. 75-79

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抄録
本研究の目的は地域在住高齢者の不安定面上での姿勢制御能力が転倒に及ぼす影響 を検討することである。地域在住高齢者55名を対象者に,過去1年間の転倒歴を聴取した。 姿勢制御能力の測定は専用のフォームラバーを用いた重心動揺計を使用し,開眼および閉 眼とフォームラバー有無を組み合わせた条件で行った。測定項目は外周面積,実効値面積,単位軌跡長とし,また,各測定項目のロンベルグ率を算出した。いずれの測定項目も転倒 歴に差を認めなかった。転倒群が非転倒群と比べ高い値を示す傾向であったが,ラバー有条件でのロンベルグ率でのみ非転倒群の方が高い値を示した。このことから,重心動揺計を用いた不安定面上での姿勢制御能力は転倒に影響を及ぼしていなかったこと,転倒群は視覚優位の姿勢制御であり非転倒群と比べ下肢の体性感覚が低下している可能性があると考えられた。
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© 2015 日本ヘルスプロモーション理学療法学会
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